第9回大分社会科学学際研究会 (OIMSS)

第9回大分社会科学学際研究会 (OIMSS)

日時 2020年1月29日(水)14:40-16:10

タイトル(仮):「中小企業とメンバーシップ/労使コミュニケーション」~中小企業家同友会をフィールドとする日本的雇用システムの行方に関する考察~

報告者 井上桂太郎 (大分大学経済学研究科)

場所 : 経済学部第第11演習室

日本的雇用システム(=成員に対する長期的な生活保障・能力開発を図る雇用・労働のしくみ)に関しては、「もはや終身雇用の時代ではない・・」等の巷の言説に相違し、「少なくともそのコアの部分は維持され続けている」との興味深い先行研究がなされています。一方で、中小企業は日本的雇用システムの「外縁部」とされ、典型的な日本的雇用システムの適用からは除外されている、との認識もあるようです。更には、「こうした中小企業こそが日本経済停滞の原因でありその淘汰が不可欠」との指摘さえなされています。

 本研究においては、「労使コミュニケーションの経営資源性」を指摘した、呉学殊の先行研究を手がかりに、労使コミュニケーションを重視するとされている「中小企業家同友会」で活動する企業を主な研究フィールドとしています。経営者オーラルヒストリーや日常活動への参加・同道の研究手法により、中小企業の現場における労使コミュニケーション実践の具体的な姿や、経営者をして労使コミュニケーションへと駆り立てる力の源泉、更には労使コミュニケーションが経営資源へと至るメカニズム等について考察したものです。

 またこれらを通じ、中小企業においても日本的雇用システムは意外なほど堅固に志向されており、政策形成にあたってもこうした傾向を十分考慮することが必要とされるであろう点についても検討してみたいと思います。

社会科学学際研究会 (IMSS)

Interdisciplinary Meeting of Social Sciences

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