第10回大分社会科学学際研究会 (OIMSS)
第10回大分社会科学学際研究会 (OIMSS)
日時 2020年2月20日(木)14:50-16:20
タイトル 「意思表出困難・家族等不在の患者の医療同意について考える」〜法学的視点から〜
報告者 藤村 賢訓 (大分大学経済学部地域システム学科)
場所 : 経済学部第12演習室
意思表出困難・家族等不在の患者の医療同意について考える」〜法学的視点から〜
障害者や認知症高齢者などの意思表出困難者に対して医療行為の提供が必要となった場合に,必要とされる治療行為への同意に際しての成年後見人や家族の代諾等の関与のあり方については,成年後見人の医療同意権の問題として,議論がなされてきました。近時国連障害者権利条約12条の観点から,代行決定と本人意思の矛盾が焦点化され,福祉分野を中心に代行決定から意思決定支援への転換がなされるべきとの論調が高まっています。本報告では,医療同意の基本原則を確認したうえで、とりわけ代行決定としての医療同意につき,意思決定支援は代行決定と矛盾せず,特定の関係者に全面的決定権限を与えない代行決定の在り方に関して,成年後見制度利用促進法上設置が進められている市町村中核機関を視野に含め、英国独立代弁人制度,スウェーデンの社会サービス法に基づく公的後見制度についても若干触れつつ,「本人意思が担保または推定される共同決定としての医療同意」の在り方について検討してみたいと思います。
参考文献
藤村 賢訓『決定能力を欠く者に対する医療行為の同意に関する考察-英国およびスウェーデンの公的アドヴォカシー制度を示唆として-』深谷格・西内祐介編「大改正時代の民法学」成文堂,2017,P645
藤村 賢訓『高齢者の意思決定支援(成年後見法)』,九州法学会会報2017,P45-49
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