第8回大分社会科学学際研究会 (OIMSS)
第8回大分社会科学学際研究会 (OIMSS)
日時 2019年7月17日(水)14:40-16:10
タイトル 『保育・子育て支援の地理学』の到達点と課題
報告者 久木元 美琴 (大分大学経済学部地域システム学科)
場所 : 経済学部第第12演習室
報告者はこれまで,保育・子育て支援をめぐる「地域固有の問題」について,都市社会地理学及び福祉の地理学の観点から検討してきた。具体的には,大都市で保育所待機児童問題が顕在化しやすい地域的背景として,都市空間構造による時空間的制約,女性の働き方の変化とその地域差,家族構造に着目しながら大都市(都心・郊外)・地方都市・農村それぞれの子育て支援の課題を分析し,拙著『保育・子育て支援の地理学』(2016年,明石書店)において報告した。その際,分析の焦点は施設需給の地域差や空間性にあり,調査分析対象は供給主体としての行政や保育事業者,需要主体としての保育所利用者(親)であった。他方,近年では,保育士労働力の不足や潜在化など,フォーマルな施設サービス需給のみに注目した研究枠組の限界が露呈している状況がある。本報告では,こうした状況を踏まえ,隣接他分野や海外地理学の動向を参照しながら,保育・子育て支援の地理学に今後必要とされる視点や課題を検討したい。
0コメント