第4回大分社会科学学際研究会 (OIMSS)

第4回大分社会科学学際研究会 (OIMSS)

日時 2018年7月18日(水)13:00­–14:30

報告者:小池澄人 氏(大分大学大学院経済学部研究科博士前期課程1年)

報告タイトル「物理主義による意識の自然化と認識ギャップ」

場所 大分大学旦野原キャンパス経済学部棟第12演習室

報告内容 

近年、心の諸科学の成果によって自然科学による心の理解は飛躍的な発展を遂げていると思われる。このような事実はわれわれに「自然科学によって心が完全に解明される日が来るかもしれない」という希望を抱かせる。このような考え方は、自然主義的であると言われる。しかし、心のひとつの側面である「意識」には、自然主義的に理解することが困難な側面が存在すると主張されることがある。その代表的な論者であるチャーマーズは、意識を自然主義的に理解するという課題を、「意識のハード・プロブレム」として提示する。チャーマーズは、意識のハード・プロブレムは物理主義の枠組みでは解決不可能であるとし、物理主義は偽であると論じる。

このような反物理主義的な主張に対して、物理主義者は何らかの応答を迫られている。物理主義者は意識の自然主義的な理解の可能性を示し、物理主義を擁護せねばならない。

本発表の目的は、チャーマーズの意識のハード・プロブレムと彼に代表される反物理主義者による物理主義への批判に対して、物理主義者がどのように応答することができるかを検討することである。

第4会OIMSSは初の院生発表でした。発表者が大阪大学人間科学部人間科学科に提出した卒業論文を本研究会のために再構成したもので、非常に活発な議論が行われました。

社会科学学際研究会 (IMSS)

Interdisciplinary Meeting of Social Sciences

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